特集 腫瘍
5.初発時は限局期で手術し,その後再発したがんのマネジメント ①肺がん—検査時の注意点と分子標的薬による有害事象
田村 志宣
1,2
Shinobu TAMURA
1,2
1紀南病院 血液腫瘍内科
2和歌山県立医科大学 血液内科
pp.535-545
発行日 2016年9月1日
Published Date 2016/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900100
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肺がんは罹患数が第3位,死亡数が第1位と予後不良な難治性がんである。しかし,その原因となる遺伝子変異“driver mutation”が10年以上前から続々と明らかにされ,これらを標的とした分子標的薬が開発されたことで,生存期間の延長に加え,治療の選択肢も確実に拡大した。最近では,免疫チェックポイント阻害薬も登場し,さらなる予後改善が期待される。一方で,これら新規薬物には予期せぬ重篤な副作用があり,リスクとベネフィットを十分に考慮して使用する必要がある。
本稿では,最新版の肺癌診療ガイドラインをふまえて,生検検体の取り扱い,代表的な分子標的薬の治療効果と有害事象,3rd line以降の抗がん薬治療の選択,そして適応拡大になった抗PD-1抗体の位置づけについて解説する。
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