徹底分析シリーズ 知っておきたいがん治療
分子標的薬の概要と有害事象について—抗体薬ベバシズマブって何?
武井 将伍
1
,
小谷 大輔
1
Shogo TAKEI
1
,
Daisuke KOTANI
1
1国立がん研究センター東病院 消化管内科
pp.32-36
発行日 2022年1月1日
Published Date 2022/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202155
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分子標的薬に分類されるベバシズマブ(アバスチン®)は最初に登場した血管新生阻害薬であり,日常診療で使用され始めてから約15年たった現在もさまざまな固形癌患者で使用されている。大腸癌では一次治療から後方治療までレジメンをまたいで使用される症例もあるため,投与される患者の数も多い。基本的にほかの化学療法に併用されるため,ベースになる細胞障害性抗がん薬レジメンによる有害事象に加えて,ベバシズマブに特徴的な有害事象が出現する可能性を頭に入れておく必要がある。特に血管新生阻害薬の有害事象には創傷治癒遅延があり,周術期には適切な管理が求められる。
本稿では有害事象を中心にベバシズマブの概要を解説する。
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