連載 これからの臨床現場を支えるために COVID-19を経験した米国の看護現場から・27
安全な職場環境づくりに向けて—職場における暴力の対策と実践・1
岩間 恵子
1,2
1ペース大学
2マウントサイナイ モーニングサイド病院
pp.252-256
発行日 2024年3月10日
Published Date 2024/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686202620
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ここまで数回にわたり,職場における暴力として問題視されている,ワークプレイス・バイオレンス(workplace violence:WPV)の原因と,解決が進まない原因について考えてきました。今回は,WPVの対策とその実践について考えていきます。
長い間,医療従事者が遭遇するハザード(危険)についての対策と研究が広く行われてきましたが,その一方で,医療現場に存在してきたWPVは職場におけるハザードとして認識されてきませんでした。1990年代になり,WPVが少しずつ認識されるようになり,文献上で議論がされるようになりました1)。振り返ってみると,臨床だけでなく看護基礎教育においても,放射線や薬剤の危険,針刺し事故の防止,安全対策は取り上げられていましたが,WPVは議題に上がることがなかったと感じています。
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