増刊号特集 ワーク・ライフ・バランスを実現し,成果を上げるマネジメント―多様な働き方と人事制度に焦点をあてて
[グループ病院]―上尾中央医科グループ協議会―ワーク・ライフ・バランスの実現と看護の価値を創造できる風土の構築―いきいきと働き続けられる職場環境をめざして
井上 由紀子
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1有限責任中間法人上尾中央医科グループ協議会看護局
pp.692-695
発行日 2008年7月26日
Published Date 2008/7/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101270
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はじめに
看護の現場は「人」により成り立ち,また提供する看護の質はそれを行なう「人の質」により大きく影響される。ワーク・ライフ・バランス(以下,WLB)を実現することは,提供する看護の質を安定させ高めていくことに他ならないと,筆者は考えている。また,WLBを実現して,豊かなキャリアを継続することにより,看護師の確保と定着,そして専門性を推進し,看護サービスの質向上が可能となる。さらに,病院経営の健全化はもちろんであるが,提供する医療・看護の安全性の向上という点においても有益と考えている。
上尾中央医科グループ協議会(以下,AMG)では,看護師の仕事と生活を両立させ働き続けられる職場づくりのためのサポートを行なっている。1975(昭和50)年の24時間院内保育システムの導入をはじめとして,キャリアアップのための研修支援体制や,年間労働時間の短縮と年間休日の増加の実現など,常に柔軟な対応の取り組みを実現してきた。
それにより,優秀な人材が確保され,組織力アップを図ることができ,看護サービスの質向上とともに病院経営管理上の重要な役割を果たしている。そして,その実践成果が看護の価値を拡大することにつながってきた。AMGの取り組みと活動内容を紹介する。
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