増大号特集 グループワークを「本物」にしよう!
「グループでワークすればグループワーク」ではない!─グループワークもどきからの脱却
近藤 麻理
1
1東邦大学看護学部
pp.704-708
発行日 2015年8月25日
Published Date 2015/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200279
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グループワークの“呪い”
看護教員を対象とする参加型の授業を体験できる研修には多くの参加者が集まり,グループワークを授業にどう取り入れたらよいかと真剣に悩んでいる姿がみられる。皆さんは,どのようにグループワークを授業で取り入れているだろうか。まずは,教員である自分自身は,グループワークが好きなのか?という問いから始めていきたい。
一般的に,グループワークに関する印象は悪く,研修内容に“グループワーク有り”と記されていると,その研修は極力避けるという人さえいる。こうなると“グループワーク”という単語が,呪いの言葉のようにも聞こえてくる。もちろん,授業中に学生に呪いをかけてはいけないし,教員にとっても精神衛生上よくないことでもある。なぜ,グループワークはこれほどまでに嫌われるのだろうか。そこには,いくつかの理由が考えられる。学生時代を思い出してみると,「自分ばかりに,課題や発表の負担がかかった」「異なる意見で対立して,人間関係が悪くなった」「サボる人がいてずるい」「自己主張が強すぎる人の意見に流されて疲れた」「1人の人がずっとしゃべり続けている」など,皆さんにも覚えがあることだろう。
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