増刊号特集 ワーク・ライフ・バランスを実現し,成果を上げるマネジメント―多様な働き方と人事制度に焦点をあてて
[急性期病院]―東京都済生会中央病院―患者満足度調査と目標管理を活用した職務満足を高める取り組み
新実 絹代
1
1東京都済生会中央病院・看護部
pp.696-701
発行日 2008年7月26日
Published Date 2008/7/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101271
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はじめに
人事・賃金政策への理念は,職員満足,患者満足,経営満足,社会満足がキーワードとなり,職員満足がスタートをなすといわれる1)。
東京都済生会中央病院(以下,当院)では,2年前から職務満足度調査を実施し,職場環境改善を実施しており,満足度の向上が徐々にみられている。
一方,患者サービス委員会では患者満足度調査を例年実施し,サービス評価を行なっている。昨年度より,調査内容,尺度を改良し,より具体的な評価,改善事項の抽出を行ない,職員研修会で提言した。患者満足度からのフィードバックは仕事の評価や貢献を実感し,職務満足と深く関連するものと考える。また,この提言が部署目標の立案のデータともなる。
目標管理は,人事処遇システムの3つの基準(昇格・昇進・昇給)の人事評価としても,人材育成,組織風土の活性化においても意義あるものと考えている。当院では目標管理は3年目を迎えるが,人材育成,組織風土改善のねらいが大きく,人事考課とのリンクはまだ十分とはいえない。そこで,今年度から特に個人目標管理を強化し,昇格・昇進,業績評価との関連を図りたいと考えている。
今回は,こうした取り組みの途上ではあるが,職務満足の向上に対する患者満足度調査,目標管理の現状について述べる。
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