連載 市場原理に揺れる米国のマグネットホスピタルで奮闘する看護師たち―メイヨーメディカルセンターでの研修でみたもの[最終回]
「患者の安全(Safety Patient)」への取り組み
上村 美智留
1
1福岡県立大学看護学部
pp.232-237
発行日 2005年3月10日
Published Date 2005/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100137
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21世紀におけるヘルスケアには,すべての要素に「質の保証と向上」が求められている。特に患者の体に直接触れ,ケアを提供する医療従事者には,安全で安楽な療養環境の調整と技術が要求されている。2002(平成14)年には,厚生労働省が医療安全管理体制不備による入院基本料減算という方針を打ち出し,臨床現場では,院内医療安全管理組織体制,安全確保の方策,職員教育,医療事故発生時の対応方法,相談窓口の設置などを急ピッチで再整備している。
しかし,院内研修の設計やスタッフ教育,管理職教育の企画,運営に関する専門的知識をもつものは絶対的に不足しており,現場の医療の質改善に多くの施設と協働して活動している筆者にとっては,その充実が大きな課題の一つになっていた。
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