発行日 2006年7月1日
Published Date 2006/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2006268931
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呼吸不全患者では生体の水分バランス,酸塩基平衡,電解質バランスが崩れていることが多い.抗利尿ホルモン(ADH)の不適切分泌による水分貯留,低Na血症がみられることも少なくない.急性呼吸不全では,脱水と呼吸性アシドーシスに伴う高K血症,低Cl血症がしばしばみられる.脱水に対しては補液を行うが,電解質異常はみかけ上であり,補正は必要ないことが多い.慢性呼吸不全では,輸液によって容易に右心不全をきたすので,水分管理は慎重に行うべきである.また,呼吸性アシドーシスを伴う場合,真の低Cl血症,低K血症がみられる.このとき,利尿薬や副腎皮質ステロイド(ステロイド)投与は低K血症を進行させる.人工呼吸管理下では水分,Naが貯留しやすいので注意が必要である
©Nankodo Co., Ltd., 2006