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術後の患者自己調節鎮痛法(PCA)と筋肉注射の費用効果分析
小林 秀行
1
,
菅田 勝也
1
1東京大学大学院医学系研究科 看護体系・機能学
pp.228-229
発行日 2005年3月10日
Published Date 2005/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100136
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背景
術後疼痛管理は,無気肺などの呼吸器合併症や代謝・血液凝固能の亢進,免疫機能の低下といった術後合併症を防ぐうえで重要である。近年,患者自己調節鎮痛法(Patient-Controlled Analgesia:PCA)が疼痛管理に広く用いられ,患者の早期離床,血栓静脈炎や肺炎の予防,そうの早期治癒,鎮痛剤からの早期離脱,入院日数の短縮が報告されている。しかし,PCAの臨床上の効果は十分に検証されていない。また,医療支出が増大する昨今,PCAと従来の疼痛管理との費用効果分析も待たれている。
この研究では,予定婦人科手術後24時間以内の中国人女性を対象とし,PCAおよび筋肉注射による疼痛管理の効果,費用効果を比較することを目的とした。痛みの評価については,術後合併症予防の観点から,安静時に加え体動時の痛みについても評価をした。また,外的統制の高い人は,術後に強い疼痛を体験しPCAに対する満足度が低いという報告があるため,この研究では,ヘルス・ローカス・オブ・コントロール(HLC)も測定した。
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