連載 助産院のごはん・1【新連載】
松が丘助産院―山西みな子助産師の教えと自身の授乳経験を基に糖分,油分を控え野菜中心の和食を伝える
畑中 郁名子
pp.1,66-69
発行日 2010年1月25日
Published Date 2010/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665101589
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●連載のはじめに
周産期において,助産師がかかわる「食指導」は絶対的な正解のないなかで,どうバランスをとるか難しいものの1つではないでしょうか。「おっぱいによい食事」とはどんな食なのか。その根拠は何か。さまざまな助産師さんへのインタビューをもとに,そのあり方を探っていきます。
無駄なトラブルを避けるために理想の食生活を伝える
「科学的な研究データはありませんが,これまでの経験から当院では野菜中心のお食事をすすめています」。2009年9月某日,宗さんは主催する「食の会」でこう語りかけながら,1枚のプリントを配っていた。タイトルは「松が丘助産院ですすめる母乳のための食事」。そこには,妊娠中・産後に控える食材や注意してほしい食材とその理由が記されている。
魚を食べるなら,青魚よりも白身魚のほうが油分が少ないこと。刺身は代謝に時間がかかるので胃に負担がかかること。油や香辛料を使った料理は,乳腺が詰まりやすくなるので避けたいこと。糖分は身体を冷やすだけではなく,乳汁が甘く,べたついてしまうので,調理に砂糖やみりんを使わないこと。卵や乳製品,小麦粉など食物アレルギーの原因となりうる食品は摂りすぎないことなど,A4のプリント両面に食生活のヒントがびっしり書かれている。
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