連載 助産院のごはん・2
矢島助産院―季節を感じられる和食が基本。楽しくおいしくいただき,心を満たす食事を大切にしたい
畑中 郁名子
pp.103,162-165
発行日 2010年2月25日
Published Date 2010/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665101606
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心と身体で感じるお産“Feeling Birth”を提唱する矢島床子院長は,食事をいただく時にも「感じる」ことを大事にしている。季節を感じられる食材選び,目で楽しめる彩り豊かな盛りつけ,だしが香るみそ汁など,食事は口だけではなく五感でいただくのが基本。たとえ妊娠中や産後であっても,女性の身体に悪いとされる食材でも「ダメなものはない」という考えの持ち主だ。その心はどこにあるのか。162ページでリポートする。
旬の野菜をたっぷりと使い,彩りよく盛りつける
国分寺市の住宅街に溶け込む矢島助産院の朝は,6時30分頃から台所に心地よく響く調理の音で始まる。朝食の準備は,矢島床子院長の夫・公成さんと息子・聡さんが交代で担当。朝専任の調理スタッフが加わり,2人で1時間強かけて準備する。
取材に伺った2009年10月某日は,入院中の女性が1名。矢島助産院にとって,3741人目の赤ちゃんが朝方に産まれたばかりだった。メニューは白米,みそ汁,漬け物,焼きまぐろに加えて小鉢が7品。内容は,ほうれん草のゴマ和え,納豆,シラス大根おろし,ひじき,もずく,タラコ入りとろろ,ゴーヤチャンプル。これに洋梨が加わった豪華な朝食だった。
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