連載 助産院のごはん・4
八千代助産院―赤ちゃんが無事に産まれる奇跡。そのお祝いの気持ちを最大限伝えるのが助産院の食事
畑中 郁名子
pp.291,358-361
発行日 2010年4月25日
Published Date 2010/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665101642
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昭和初期に設立された歴史ある八千代助産院では,23年間1人の女性が台所を切り盛りする。
築地直送の魚料理を中心に,1日32品目がとれる栄養たっぷりのメニュー。
産後は豪華なお祝い膳をサービスするという。
その根底に流れる思いを,358ページでリポートする。
食べる量よりも食べ方を一緒に考える雰囲気づくりが大切
八千代助産院の台所は,23年間長谷川房代さんが1人で切り盛りしている。朝は6時半頃から8時すぎに出す朝食の準備を始め,12時の昼食,18時の夕食と手際よく作っていく。3食とも和食をベースにするが,長谷川さんの創作料理も多い。みそ汁にりんごを入れて冬瓜風に仕上げたり,ふかした里芋を黒ごまソースであえてぼた餅のように見せるなど,出される料理に遊び心が垣間見える。
「もともと食べることが大好き。小料理屋でアルバイトをしていた時に,友人から助産院での仕事を紹介されて働き始めたのが運のツキ(笑)。気付いたら23年続けています。日本酒も大好きなので,休みの日はお酒が飲める店でおつまみを食べ歩いて,日々の料理のヒントをもらっています」
と長谷川さん。1日32品目が食べられるよう食材の使い方を工夫し,栄養バランスを考えた食事作りを心がけている。
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