連載 行動変容を導く ナッジの利いた保健活動・6
「Attractive(印象的に)」活用のためのポイント
髙橋 勇太
1,2,3
,
村山 洋史
3,4
,
竹林 正樹
3,5,6
1横浜市鶴見区
2NPO法人Policy Garage
3横浜市行動デザインチーム(YBiT)
4東京都健康長寿医療センター研究所
5株式会社キャンサースキャン
6青森県立保健大学
pp.516-521
発行日 2021年6月10日
Published Date 2021/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664201679
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はじめに
第5回では,ナッジ実践の枠組みであるEASTの中の「E」,つまり「Easy(簡単に)」を紹介しました。
ごちゃごちゃと大量の情報が詰め込まれたものよりも,シンプルな内容の方が心に響く,というのは感覚的には理解しやすいと思います。しかし,実際に健康情報を提供しようとすると,「あれも大事,これも大事」といろいろと盛り込みたくなってしまうものです。Easyのナッジを利かせるには,3つのポイントがあります。
1つ目は,「デフォルト機能を活用する」です。選択してほしい行動をデフォルト(初期状態)に設定することで,それが選ばれやすくなります。
2つ目は,「面倒な要因を減少させる」です。行動の過程にある面倒くささを取り除き,労力を最小限にすることとで,「行動してもいいかな」という気持ちが高まります。3つ目は,「メッセージを単純化する」です。行動を細分化した上で,それぞれの動作をターゲットにした明確なメッセージを送ると,相手は行動の道筋が立てやすくなります。
第6回の達成目標
第6回は,EASTの中の「A」,すなわち「Attractive(印象的に)」を取り上げ,以下を達成目標とします。
❶「Attractive」活用のためのポイントを理解する
❷保健活動における「Attractive」活用の具体的なイメージを持つ
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