連載 行動変容を導く ナッジの利いた保健活動・7
「Social(社会的に)」活用のためのポイント
髙橋 勇太
1,2,3
,
村山 洋史
3,4
,
竹林 正樹
3,5,6
1横浜市鶴見区
2NPO法人PolicyGarage
3横浜市行動デザインチーム(YBiT)
4東京都健康長寿医療センター研究所
5株式会社キャンサースキャン
6青森県立保健大学
pp.598-603
発行日 2021年7月10日
Published Date 2021/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664201697
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
第6回では,ナッジ実践の枠組みであるEASTの中の「A」,つまり「Attractive(印象的に)」を紹介しました。
行動変容を促そうとする時,私たちは提供する情報そのもの(例えば,正確かどうかなど)に注目しがちです。しかし,どれだけためになる情報を用意しても,人の目に触れなければ意味がありません。また,たとえ目を向けてくれたとしても,そこに魅力がなければ具体的な行動変容には結びつきません。Attractiveは,行動したくなるエッセンスを入れ,注意を引くことです。そのためのポイントは2つあります。
1つ目は,「関心を引く」です。見た目が良い,新奇性が高い,単純,すぐに実行できるような事項に人は反応しやすく,関心を持ちやすい傾向があります。
2つ目は,「動機付け設計を行う」です。賞品,称賛,目標達成,あるいは罰則など,外部からの刺激による動機付け(外発的動機付け)が行動変容に効果的なことがあります。
第7回の達成目標
第7回は,EASTの中の「S」,すなわち「Social(社会的に)」を取り上げ,以下を達成目標とします。
●「Social」活用のためのポイントを理解する。
Copyright © 2021, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.