教育人間学の探求・6
授業論—その1
伊藤 順康
1
1東京理科大学
pp.389-393
発行日 1982年6月25日
Published Date 1982/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907692
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授業論の前提
前稿において,戦後教育の中では自己形成主体の未確立が問題であることを述べた.そして,それはまた青少年だけの問題ではなく,成人,つまりわれわれにとっても問題なのである.教育に携わる者,指導される者,両者がともにこの問題を抱えて,教育の営為がなされているわけである.‘教育人間学’と題して,やや視野を拡大したようであるが,実はこのことをふまえていないと,授業論にせよ,生徒と教師の関係のあり方にせよ,重要な点を見落とすことになるのである.
以上の視点をふまえた上で,次に授業論に入っていきたい.今回は,その前提にあたる部分として授業のとらえ方について論じることにしよう.
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