特集 授業を追求する
論稿 授業の進め方
木原 健太郎
1
1名古屋大学
pp.23-28
発行日 1969年8月1日
Published Date 1969/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906211
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私の立場
授業の進め方を考えるにあたっては,いろいろな立場がある。その立場の違いによっておのずから,授業の進め方に関する記述の仕方も異なってくる。そこで,あらかじめ,私の立場を書いておくことが必要であると思われる。
私は,もともと社会学の出身で,主として,人と人の間の意志の伝わり方,ひいては社会的な文脈(コンテキスト)のなかでのコミュニケーションの実証的な分析をテーマとしていた。その後,事情あって名古屋大学に招かれるに及んで,教育のなかでもとくに授業という場でのコミュニケーションの分析にたずさわるようになった。今日現場の初等中等教育界に広く知られている用語の1つとして「授業分析」というのがある。私が昭和29年に名古屋大学に赴任したころは,重松教授がその方面に手を染められており,私は講座こそ違え,同教授から学ぶところがあった。
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