教育人間学の探求・7
授業論—その2
伊藤 順康
1
1東京理科大学
pp.456-459
発行日 1982年7月25日
Published Date 1982/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907700
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授業の要素
授業というものが,基本的には教える者と教えられる者の対峙,つまり人間対人間の関係を軸として考えられるべきことは,先にみたとおりである.ここで改めて授業の要素なるものを取り出してみれば,1)教師の活動としての教授 2)生徒の学習活動 3)教材ということになる.しかして,教師が‘教材を’教えるのではなく,‘教材で’教えるものであることも,今までの行論から了解せられたことと思う.
次に1つの具体的な授業を,時間の流れに従って要素的に分解してみると,1)その日の学習場面への導入 2)教材を提示すること 3)教材をできる限り深く掘り下げること 4)知識が増え,能力が定着する 5)授業の成果を点検し評価することとなるであろう.これが,いわば基本的な枠組みであるが,一斉教授の効果的な方法については,歴史的にも多くの蓄積がある.
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