特集 授業を追求する
論稿 授業における人間関係
下村 哲夫
1
1香川大学
pp.17-22
発行日 1969年8月1日
Published Date 1969/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906210
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授業の第3の視点
教えやすいクラスと教えにくいクラスというのは確かにある。同じように生徒の側にも教わりやすい先生と教わりにくい先生というのがあろう。同じ教材を同じように教えるのに,あるクラスではとても気持よく進み,あるクラスではどうもうまく進まない。そんな時たいていの教師は,あのクラスは雰囲気がよいが,このクラスは悪いとかあのクラスは明るいがこのクラスはどうも暗いとか,ぶつくさつぶやいて,つまるところは担任の先生のお人柄のせいにしてしまう。
担任の先生のお人柄のせいかどうかはともかく学年度の初めにはほとんど機械的に編成したはずのクラスが,1学期の終わりころにはしだいに独自の雰囲気を持ちはじめ,学年度の終わりにははっきり他と区別できる雰囲気を身につける。こうした雰囲気をつくりあげるものは何だろうか。そしてそれは毎日の授業にどんな影響を及ぼしているのだろうか。
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