特集 授業を追求する
論稿 授業の基本
最上 太門
1
1弘前大学
pp.9-16
発行日 1969年8月1日
Published Date 1969/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906209
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二つの授業観
表題から推測して,この論稿は授業展開の定型についての解説ではないかと思われるかたがおられるかもしれないが,この論稿は,具体的な授業展開の技術ないし手続きについて述べようとするものではない。もっと基本的に,授業とはいかなる機能をもつものであるか,またその観点からして授業の構成要素として何が不可欠のものであるか,といったことについて考察しようとするものである。
この問題については,古くから諸説が行なわれてきたし,現在においてもさまざまな立場から探究がなされ,教育現場と提携して実践的な研究も行なわれている。これらのそれぞれについて紹介したり検討したりすることも必要かもしれないが私は私なりに「何が授業の基本であるか」を考えてみたい。この問題はたいへんむずかしい問題で納得の得られる解答を示せるかどうか自信がない。しかし答えないわけにはゆかない。
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