教育人間学の探求・8
授業論—その3
伊藤 順康
1
1東京理科大学
pp.524-528
発行日 1982年8月25日
Published Date 1982/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907711
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授業における技術と人間
授業論も第3回目となった.ここでは,授業の展開過程について考えておきたい.
‘授業’ということばを聞いて,われわれが思いうかべるのは,1人の教師に対して大勢の生徒が向かい合う一斉教授のスタイルである.もちろん,教室内にいるのは同じ学年の生徒たちだけであって,異なった学年の生徒が共存する風景といえば,せいぜい第2次大戦直後の複式教授や,ごく小規模な学校の数少ない事例でしかないだろう.しかし,この一斉教授のスタイルが,歴史的にみて最初のものではもちろんないし,現在でも(その普及率がきわめて高いとはいえ)唯一のものなのではない.
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