人間形成の原理と方法
第3部 人間形成と技術教育(1)
元木 健
1
1大阪大学人間科学部
pp.539-544
発行日 1974年8月25日
Published Date 1974/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906803
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第1章 技術と人間形成
はじめに
日本の教育界は,この10年来,‘職業’の教育の在り方をめぐって,教育界を2分するような大きな対立と,それに伴う混乱を続けてきた.すなわち,特に後期中等教育を中心とした,政府・文部省の立場からの‘多様化’政策と,教員組合・学界からの‘全面発達’理論との衝突である.
政府・文部省の立場とは,昭和41年10月に,中央教育審議会が発表した‘後期中等教育の拡充整備について’という答申に代表されるもので,高等学校段階の教育を,個人の適性・能力,職種の専門的分化,新しい分野の人材需要に即応するよう改善し,教育内容の多様化を図る,という方策である.この答申に基づき,高等学校における特に職業科の細分化が促進され,個々の職種に対応するような新しい学科が次々に誕生した.
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