人間形成の原理と方法
第4部 人間形成と生活指導(2)
桂 正孝
1
1大阪大学医療技術短期大学部
pp.48-53
発行日 1975年1月25日
Published Date 1975/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906852
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第2章生活指導の系譜と論理
1.生活指導論の系譜
現代の生活指導は,学校教育における‘訓練・生活過程’の組織方法体系として形成されてきたものである.それは,青少年が現に営んでいる実生活と,そこでの要求・欲求に根ざした諸活動を,一定の民主的な思想内容と性格をもった教育的要求にまで高め,方向づけることによって,人格的諸特性の基礎を子どもたちのなかに形成しようとする教育方法体系である.したがって,それは,青少年およびその集団の実生活と欲求・要求を満たすために共同活動を組織させ,そのプロセスにおいて,民主的な行動の仕方およびそれと結びついたリアルで科学的なものの見方,考え方,人間的な感じ方の指導を目指す力法体系である.またそれは,子どもたちによる実践的・理論的課題の自主的解決(成功体験)の集団過程を通じて,現代の社会生活,生産的活動に参加できる社会の主人公にふさわしい人格的諸資質を,自らの力で獲得させていくところに周有の役割があるといえよう.
なお,生活指導の領域構成をその活動形態から整理するならは1),まず学校教育の分野では,教科外(課外)と学校外の領域に区分することができる.
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