人間形成の原理と方法
第2部 人間形成の方法(1)
扇谷 尚
1
1大阪大学人間科学部
pp.351-356
発行日 1974年5月25日
Published Date 1974/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906777
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
序—問題の所在
‘人間形成’という概念が何を意味するものかについては,既に第1部‘人間形成の基礎理解’として3回にわたり,理論的に明らかにされてきた.第2部では,人間形成の方法論を取り上げたい.この視点から,人間形成の性格をとらえ直してみると,次の2点に要約できるであろう.
第1は,教育が知識を教え授けるのみでなく,人間そのものを形成すべきであるということである.‘知識’とその獲得の‘方法’にかかわる知性形成面のみでなく,‘生きる’ことにかかわる人格形成面が重視されなければならない.これは教育目標に関するひとつの主張をもっている.すなわち,全体的人間の発達ということが,教育の目標となるのである.
Copyright © 1974, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.