私の提言
看護教育と人間形成
高橋 美智
1
1東京都老人総合研究所看護研究室
pp.633-637
発行日 1973年10月25日
Published Date 1973/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906712
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“情報科学と五次元世界”(関英男著,NHKブックス)に私が出会ったのは,昨年の春のことである.情報科学に関する幅広い考察がなされている書物であるが,そのなかに‘人物の形成’という章があり─人間はつくり易いが,人物はつくり難い.最後の難関は何?─とあり,人物の形成に関する要素が考察されている.
一般的考察としては,①通信系=環境と教育によって後天的性格がつくられる.ある程度,教育者の意志を加える余地がある.②記録系=祖先と配偶によって先天的性格がつくられる.遺伝と結婚という偶然らしいものに支配される.③変換系=超人的な努力によって超俗的性格がつくられる.片方向通信に近いので受信困難であるが,受信できれば大きな情報が得られる.とあり,さらに環境の影響,通信系としてみた教育,遺伝情報,情報系の拡張などの項目をあげ,いずれの項目もまことに興味ぶかい考察が展開されている.
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