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食事摂取への援助に関する一事例(1)
坪井 良子
1
,
鈴木 佐和子
1
1慈恵高等看護学院
pp.409-416
発行日 1974年6月25日
Published Date 1974/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906783
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はじめに
看護学総論の中で看護の方法(看護の基礎技術)の単元を展開していく場合,単に知識を羅列し,方法そのものの手順を習得させるのではなく,何故そうするのか,何故こうしなければならないのかという物理・化学的根拠,病態生理学的理解あるいは社会的・心理的把握の仕方など,それぞれに必要な理論的な裏付けの必要性や,ケアとして行われる時,その底流には看護の思想が脈脈と流れ,貫かれていなければならないということは,容易に是認されるところである.そしてこの基礎技術は応用されるものでなければならないのである.応用とは単一の基礎技術を工夫変化させることのみではなく,習得した多くの学科の中から,必要な知識を活用して理論と実際が遊離しないよう,また単なる経験主義に陥らないように,対象の必要に応じて,自在に生かされるものでなければならない.
とすれば,学生自身の生活により密着させ,積極的・自発的学習活動としていかなければならない.その具体的な一例として‘食生活の援助法’について検討し,授業の中で展開してみたところ,学生の理解度は高まり,臨床実習において活用できるようになった.従来の栄養学ないしは食事療法で学んだ患者の摂取した栄養所要量の算出方法よりも,実際的であり,かつ簡便にその把握ができ,食生活の自己管理や患者指導の際にも役立っていると報告してきている.
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