ベッドサイドの看護
精神発達遅滞児の食事訓練を中心とした援助—3歳6か月まで固形物摂取ができなかった事例
西村 静代
1
1国立療養所北陸病院ひまわり病棟
pp.279-283
発行日 1980年3月1日
Published Date 1980/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918906
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はじめに
当病棟は‘動く重症心身障害児(者)病棟’として,1976年4月に発足した.‘動く重心病棟’が,国立肥前療養所に,我が国で最初に開棟されたのが1972年4月のことであるから,まだその歴史は浅い.従来の‘重心施設’や‘精神薄弱児(者)施設’とは異なり,療育・介護が困難な問題行動があったり,自閉,あるいは多動の傾向の強い患児(者)を,主な対象として療育にあたっている.
当事例は,生後7か月から18か月にかけて,母親が熱心に離乳を試みたが,嘔吐が続き,固形物を受けつけず,3歳6か月に至るまでミルクと果汁を栄養源とし,日常生活は全面介助であった.母親の識別すらできない状態で入院してきた視覚障害を伴う小頭症児に対し,食事面の発達を重視して療育を実施した結果,1年の間に障害児としてはかなりの成長を示したので報告する.
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