連載 看護基礎教育において「安全」をどう学ばせるか・6
実習に出るとき―①学校・実習施設、教員・臨地指導者・学生~それぞれの責任
松下 由美子
1
1山梨県立看護大学
pp.780-782
発行日 2002年10月25日
Published Date 2002/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903280
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はじめに
看護実習は,看護職として患者の安全を保証する能力を修得するために欠かせないものであるが,未熟であるがゆえの事故やトラブルを生じる危険性を孕んでいることも否めない.このようなリスクを恐れるあまり,今日の看護基礎教育では臨地における学生の貴重な体験を奪ってしまっている傾向にあるのではないだろうか.
リスクマネジメントの考え方が医療機関にも根ざしつつあるが,看護教育機関においてもこの考え方を導入して,危険なことから遠ざかるという発想からの転換を図らなくてはならないと考える.何故なら,危険なことを「見学する」という実習では,リスクに関する学生の感性を育めないと考えるからである.自分が行う看護行為のどこに,どのようなリスクが潜んでいるかが認知できなければ,事故防止のための対処行動はとれないのである.
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