連載 訪問看護必携ノート・7
体表から探るフィジカルアセスメント
安酸 史子
1
,
森山 信男
2
1岡山大学医学部保健学科
2東京大学附属病院血液浄化療法部
発行日 2002年10月25日
Published Date 2002/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903274
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No.16:患者さんの呼吸がいつもと異なっています.こんな時どんな原因が考えられるのでしょうか?
安静時の吸気運動は呼吸筋の収縮で胸郭を広げ,呼息運動ではこれらの筋肉が収縮をやめて胸郭を自然にもとの状態に戻します.これによって肺を伸展・縮小して肺胞のガス交換を行うのが呼吸です(図).呼吸は,1分間の呼吸数,リズム,深さ,呼吸の型(両側の胸郭が同時に,均等に動くか)などを観察します.正常成人の呼吸数は1分間14~20回で,吸気と呼気とは一定で規則正しく周期しています.呼吸の深さ(1回換気量)は約450~500mlです.型には主に肋骨筋の運動による肋骨型(胸郭型)と横隔膜の上下(腹部の運動が顕著)運動による横隔膜型(腹式)とがあります.普通は混在型(胸腹型)ですが,女子では胸郭型が多くみられます.呼吸の異常は以下のように分類されています.
数の異常 呼吸の深さは変化せず,呼吸数のみ増加する場合(24回/分以上)を頻呼吸,逆に減少する場合(12回/分以下)を徐呼吸といいます.
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