連載 「配慮が必要な学生」の学びにつなげる対応 臨地実習における教育上の調整を考える・1【新連載】
臨地実習において教員や臨床指導者が抱く困難感
飯岡 由紀子
1
1東京女子医科大学看護学部
pp.60-65
発行日 2017年1月25日
Published Date 2017/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200674
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近年の看護教育では,多様な学生への対応が1つの大きな課題となってきました。日本学生支援機構の調査では,発達障害や精神障害を有する学生の増加が言及されています。また,聴覚障害や身体障害のある看護学生を担当して,どのような対応をしたらよいのか悩まれている教員や臨床指導者もいらっしゃると思います。看護基礎教育,特に臨地実習では,患者・家族の安全を確保する必要があり,教員または臨床指導者は適切な配慮や調整のもと教育を行う必要があります。障害のある学生に限りませんが,配慮が必要な場合は,教育上の調整を多岐にわたって行っていることでしょう。しかし,このような教育上の調整にあたって,どのような準備を進めるべきなのか,どこまで調整すべきなのかと不安を抱いていることも多いのではないでしょうか。
本連載では,看護基礎教育において,配慮が必要な学生に対してどのような教育上の調整をすべきなのか,読者の皆様とともに検討したいと考えています。多様な事例とその対応例を提示しながら,臨地実習における教育上の調整の考え方や方法を紹介します。さらに,教員や臨床指導者の不安が少しでも緩和するような指針を構築できることをめざしています。本稿の内容が,皆さまが直面している課題や自施設における取り組みに少しでも役立つ内容になりましたら幸いです。ぜひ皆様からご意見をお寄せいただきたくお願いします。
なお,連載で提示する事例は実在のものではなく,皆様が体験することが多いであろう内容をフィクションとして提示しています。教育機関の状況は各々異なりますので,例示としてお読みいただけますようお願いいたします。
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