特集 「精神看護学」のいま
精神看護学の授業展開―ビデオ教材の効果と意義
甘佐 京子
1
1滋賀県立大学看護短期大学部
pp.350-353
発行日 2002年5月25日
Published Date 2002/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903194
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はじめに
21世紀に入り,人々を取り巻く社会情勢は複雑さを増し,それに伴って心の健康問題も多様化しつつある.そうした社会において精神看護の需要は今後ますます高まるものと考えられる.平成8年度にカリキュラム改正が行われ,精神看護学は独立した教科となって5年が経過した.講義時間も他の領域と同様に105時間が充てられ,対象理解から看護の実際,精神保健まで様々な内容が教授されることになった.
授業の中で,学生たちは心の健康については強い興味を持っており,自己と重ね合わせて考えることが可能である.しかし,精神に疾患を持つ人間の理解については,日常遭遇する機会がないだけに想定が困難であり,テキスト上の理解のみにとどまったり,異常の指標としての精神症状ばかりに着目してしまうことも少なくない.
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