特集 授業としての臨地実習
実習指導を「ワーク」する
村島 さい子
1
,
斎藤 孝子
1
1三井記念病院高等看護学院
pp.102-107
発行日 1996年2月25日
Published Date 1996/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901311
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はじめに
臨床実習は,私達にたくさんの「出会い」と「変化」を与えてくれます.「実習生との出会い」「患者さんや家族との出会い」「医療チームメンバーとの出会い」,そして何よりも「自分自身との出会い」があります.人やある出来事との出会いは,教師,実習生,患者という立場の違いはあっても,そこから生まれる「感じる」「考える」「表現する」という行為は,共通したものでしょう.お互いに達成すべき課題を抱え,他者の課題に巻き込まれながら,それぞれが全身を使って表現し合うところで課題が達成され,新たな課題の発見があり,表現も次第に成熟していきます.
患者は病から何かを学び,実習生はその患者から学び,教師は実習生から学ぶという連鎖の中で,次々と「出会い」と「変化」が繰り返されることになります.それぞれが自分自身をみつめ,自分自身を教え育てるという自己教育があり,それがいろいろな立場の人との意見交換や体験の交流をする共同教育を可能にし,さらに他者教育へと発展していきます.病に立ち向かう患者の表現=生きること,その姿に学生は感動し,感動が学生の行動を変えていきます.
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