特別記事
実習指導をデザインする─実習指導者による自立した実習指導過程
岩瀬 貴美子
1
,
酒井 未来
2
,
大森 裕子
1
,
友田 尋子
1
1甲南女子大学
2大阪市立総合医療センター
pp.1032-1040
発行日 2014年11月25日
Published Date 2014/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200031
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はじめに
教育内容の充実と看護実践能力の充実を検討するため,2002(平成14)年から「看護学教育の在り方に関する検討会」や「看護基礎教育における技術教育の在り方に関する検討会」による報告が相次いだ。教育機関では学内および看護実践能力を育成するため,特に臨地実習での学びの見直し,工夫が始まった。
臨地実習での学びの過程は,学生のもつ既習の知識や技術力と専門職を目指すための姿勢を複雑にインテグレートさせながら,机上の患者像から目の前の患者に適した援助を組み立てるという経験を繰り返す。しかし,場面を繰り返すことでそのまま理解と身につくわけではないところが臨地実習の難しいところである。それでも,学内で技術練習をすることが患者の状況に応じて工夫するアイデアを見出せると思い,学生は自主勉強に励み自信につなげていく。それを教育的に支え,臨地実習における体験を意味あるものに変容させていくために教員は頭を抱えながら知恵を絞る。特に臨地実習での学生の学びは看護実践能力を身につける重要な機会であり,そのために実習指導者と教員の意図的な関わりは必要であり,今までにも増して実習指導者と教員との連携および連携する能力がその鍵となる。
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