連載 看護学教育研究実践への提言・14
老人看護学教育研究の動向と今後の課題
小川 妙子
1
,
定廣 和香子
1
1千葉大学博士後期課程
pp.454-459
発行日 1995年5月25日
Published Date 1995/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901122
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はじめに
1990年のカリキュラム改正により,老人看護学は成人・母性・小児看護学から23年遅れて專門科目として独立した.この独立の背景には,高齢社会の到来による老人看護への社会的要求がある1)ことは言うまでもない.しかし,同じ人間のライフサイクルに沿った看護学である成人・小児・母性各看護学が1967年の前回のカリキュラム改正において独立したのに対し,老人看護学の独立が遅れたのは,その教育内容において成人看護学からの明確な独自性が示せなかったことに起因する.
田島は,その経緯について「成人の概念を広義に考えれば老人も含まれるわけで,老年期の人々への看護は成人看護学の範疇に含まれていると解釈されていた」2)ためであると説明している.
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