連載 病床環境理解のための12の課題・2
人間集合と病室空間
課題1:多床室におけるプライバシー[前編]
川口 孝泰
1
1兵庫県立看護大学
pp.460-464
発行日 1995年5月25日
Published Date 1995/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901123
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
人間集合と病室空間
人間集合とは,人間が集まることによって生じる,人間同士のダイナミズムの結果起こる環境行動的な側面を研究対象とする,環境心理学の一分野である.特に,この分野では人間のプライバシー,テリトリーなどの問題を,人間の社会生活における行動場面から検討することで,多くの重要な示唆を行なってきた1,2).
病院の多床室という空間は,入院患者にとって病気を抱えている者同士というつながりで,共同生活を送るきわめて特殊な場である.このような場で,入院患者がどのような生活行動の特性を持つかを把握することは,看護実践を行なっていく上できわめて重要である.
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.