特集 学生と看護診断に取組もう
授業研究―成人看護学における看護診断
藤村 龍子
1
1慶応義塾看護短期大学
pp.22-30
発行日 1992年1月25日
Published Date 1992/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900324
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問題提起
“看護診断”という用語は,看護教育や臨床実践の場で慣用の用語として承認されているだろうか.看護の専門用語として登録されて久しくなるが,その登場してきた歴史的背景や意味は不確かなままに臨床看護のなかで確実な定着をしてきつつある.“診断”という用語はこれまで,医療の支柱であり,医師の責任を象徴してきた.
阿部によると,医学診断は特定の個体(患者)について,最適の医療行為を決定するための論理過程であると説明している.診断過程の時期や定性の状態に応じて,早期診断,健康診断,症状診断,原因診断,病理解剖学的診断,鑑別診断,確定診断などの表現がある.かなり,その状況に応じて柔軟に表現している.これらの判断基準は“診断学”によって体系づけられ,世界共通の学問体系として位置づけられている.
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