焦点 看護行為に関する評価研究
解説
教育における授業研究の意義—2つの類型の授業とその研究
加藤 幸次
1
1国立教育研究所
pp.429-434
発行日 1985年10月15日
Published Date 1985/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200850
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1.3つのタイプのメタフォー
まず,研究の対象である"授業"について吟味することから始めたい。あらゆる人間の行なう行為あるいは実践が,程度の差こそあれ,一定の考え方すなわち哲学を反映しているように,人間の形成を目指す"授業"という行為あるいは実践は,一定の考え方すなわち哲学を反映しているものである。いな,人間の形成という技術的にも精神的にもきわめて複雑な行為あるいは実践であるがために,他の分野以上に,考え方すなわち哲学をより強く反映したものとならざるをえない,と考えられる。このことは,人間を行為あるいは実践の対象としている分野では,どこでも正しいことと思われる。
結論から言って,3つのタイプの考え方すなわち哲学が,授業をめぐって考えられる。言い換えると,この3つの考え方あるいは哲学を反映した"授業"が存在する,ということである。人間の形成にかかわっている,いわゆる教師と呼ばれてきている人々が,気づいているか気づいていないかは別にして,研究の対象である"授業"にこの3つのタイプがあることを,しっかりと理解しておきたい。授業研究の出発点はここにあると考えたい。
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