特集 日本看護診断研究会・第1回学術集会報告
シンポジウム:看護診断と看護教育
成人看護学と看護診断
藤村 龍子
1
1慶應義塾看護短期大学
pp.62-66
発行日 1992年2月15日
Published Date 1992/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900065
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広範にわたる「看護診断」の範囲
与えられた“成人看護学と看護診断”というテーマについて述べて行きたいと思います。御出席の皆さんの大半が成人看護の領域で看護実践あるいは看護教育に携わっているのではないかと推測いたします。成人看護学はライフステージの大半を占める成人期を対象とした看護の知識体系・技術体系で成り立っているわけです。老人看護学が独立するまでは老人期の看護についてもこの領域に含まれていましたので,人生の終焉となる死にいたるまでの健康問題は多様であり,従つて「看護診断」の範囲は広範におよびます。しかし,看護基礎教育課程での学習には限界がありますので有効な教授一学習方略が求められてきます。
本来,看護学の中に「看護診断学」が確立されていれば,さほど看護教師も学生も困惑しないのですが,医学のように明瞭に知識体系が整えられていないところで,見た現象を判断し,表現することを求められていることの困難があるのも事実てす。
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