特集 教育技術を学ぶ
看護学校にも研究授業を
永井 敏枝
1
1中央鉄道病院看護婦養成所
pp.3
発行日 1964年5月1日
Published Date 1964/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663905283
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看護教育の現実において数ある問題点のなかで,適格な教育者のいないということ,いいかえれば指導するという技術的な教育をうけたいわゆる教育の専門家のいないということがあげられましょう。しかし,現在この任にあたっている者すべてはよりよい指導ができるようにするにはどうしたらよいか考え,ときには悩み,少しずつ努力しているというのが現実ではないでしょうか。しかし,自分だけの殼の中でのみ考え悩むより,第三者の意見を聞き,より多くの同じ任に当たる者同士で考え,研究することのほうがより効果的によい指導方法が得られましょう。私は現職教育のうちで最も効果のあるものの一つとして研究授業があってもいいのではないかと思います。しかしここでいう研究授業とは,義務教育の小・中学校で行なわれているような大がかりなものでなく,時には自分の所の教職員間において,時には近接地域の数校の教師によってのみでのものであってもいい。「研究授業なんて,先生も学生もよそいきなんだから,それをみてとやかくいい合っても意味がない」とか「どうせアラ捜しなんだ」「つるし上げられる」というような考えもなくはないと思いますが,しかし,実際に行なう教師にしてみれば,ふだんよりもたんねんに準備するでしょうし,研究もするでしょう,ことばづかいや服装にまで気を使うでしょう。私はそれだけでも一つの目的は達せられると思います。
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