特集 あらためて学ぶ、なぜリフレクションか
省察的実践家に求められるリフレクションを考える
中村 駿
1
,
浅田 匡
1
1早稲田大学人間科学学術院
pp.292-297
発行日 2020年4月25日
Published Date 2020/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201459
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はじめに
筆者は、授業研究・教師教育を専門として、主に小・中学校の教育改善に資するための研究に取り組んできた。子どもの成長において特に教師の果たす役割は大きいとされ、教師に求められる専門性のあり方について探究している。
今日ではめざすべき教師像として省察的実践家が掲げられ、「リフレクション」が教師教育や授業研究での鍵として考えられるようになった。しかしながら、リフレクションの本質を誤解することによって、教師の学びに役立つどころか、悪影響を与えうることに警鐘を鳴らす研究者がいるほど、本来の意味ではないリフレクションが実践されていることも少なくない。
かかる現状に対して、本稿では省察的実践家の提唱者であるショーンに立ち返り、省察的実践家やリフレクション概念の定義を概説するとともに、省察的実践家に求められるリフレクションとはどのようなものか考えたい。
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