ICTを取り入れた授業改善

看護教育におけるICT活用

　医療・看護分野においては、人を対象に行う実践家を育成するため、コンピュータなどICT（Information and Communication Technology）を活用した教育はなじまないとされてきた。著者が初めてICTを用いた看護教育について学会発表をした1998年ごろ、質疑応答ではかなりきつい口調で「コンピュータで看護師の教育はできないし、してほしくない」と言われたことがいまだに思い出される。

　しかし、今、マルチメディアを活用したeラーニングが多くの医療系大学や病院などに導入され、ICTを活用した膨大な知識の効率的な学習、新しい知識の定着、医療・看護技術の習得といった面で、高い学習効果が得られたことなどが報告されている。また、医療人育成のために体系化された教育プログラムにこそeラーニングやICTの活用が効果的である、との声も聞かれるようになってきている。