特集 看護の歴史はおもしろい 語り継がれる人と時代
第2部 先達に学ぶ
地域看護学概論に「先達から学ぶ」授業を取り入れて
山本 春江
1
1青森県立保健大学健康科学部
pp.1002-1009
発行日 2006年11月1日
Published Date 2006/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100528
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はじめに
私は地域看護学概論に「先達から学ぶ」という授業を取り入れている。青森県立高等看護学院公衆衛生看護学部の保健師教育の時代からなのでもう十数年になる。1999(平成11)年4月に看護学院から大学になり地域看護学領域の授業内容も時間数も大きく変わったときにも,ほとんど迷いなくその授業形態を継続した。授業の時間数は表1のように,10時間5コマであるが,すべてのコマにおいて「先達から学ぶ」ことを中心にしている。「地域看護援助論」は3単位90時間の一部で,大きくは「各論」「演習」そして「概論」はその一部である。なお,「概論」は最初ではなく最後に実施している。
授業内容は,まず地域看護草創期に活動していた先達によって書かれた論文*1~3)を読んで,そこから学んだことや感じたことをA4用紙1枚程度にまとめるということから授業はスタートする。授業の終わったあとにはその感想文をもとにレポート『歴史新聞』を作成する。それに必ず掲載しなければいけない2つのテーマがある。1つは「地域看護の始まりはどこか」であり,もう1つが「史料から学んだこれからの地域看護」である。
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