連載 授業を良くする! 教育関連理論・7
発問を活かした授業づくり
西野 毅朗
1
1京都橘大学 教育開発支援センター
pp.420-426
発行日 2018年5月25日
Published Date 2018/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200988
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発問を活かせていますか?
発問とは,授業中になされる教師の問いかけのことです。狭義には「教科内容に即して思考活動を促し,彼らが主体的に教材と対決していく学習活動を組織することを意図して行われる教師の問いかけ」1)とされます。前回紹介した4つの指導言(説明・発問・指示・助言)のうちの1つで,授業づくりには欠かせないものです。
古くはソクラテスやアリストテレスといったギリシャの哲学者が,発問を通じて相手の矛盾や無知を自覚させつつ,真理へと導いていく問答法に始まり,現在では教育上の有効な手段として学校教育から社会人教育に至るまで,広く用いられています。一から十までついつい教員が説明しきってしまうところを,あえて発問に変えることで学生*の注意を引きつけたり,記憶の定着,理解の促進,思考の変容を促すことができるようになります。
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