増大号特集 グループワークを「本物」にしよう!
学生がやる気になるグループワークを求めて
糸賀 暢子
1
1あじさい看護福祉専門学校看護学科
pp.718-726
発行日 2015年8月25日
Published Date 2015/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200281
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グループワークの成否はチームづくりと明確なゴールで決まる
「なんてグループワークの多い学校なのだろうと思った」。2014(平成26)年に卒業式を控えたある学生が残した言葉である。続きがある。「はじめは全然話し合いにならなくて大変だった。自分も何を話せばいいかわからないし,話し合いが脱線してしまう。でも,やっていくうちにグループメンバーのなかから上手に進行する人が出てきて,メンバーそれぞれのいいところが発揮されるようになった。そうなると目的に向かって内容のあるグループワークができるようになった。グループワークを通して自分が成長したと思える」。グループワークの発展段階*1を見事に終結させた発言である。その言葉には,課題に取り組んだやりがいと達成感が込められている。
本稿は,井戸端会議,情報交換レベルで成果が見えない話し合い,効率的に分担作業へと化して,目的と内容に沿わないグループワークから,学生自身がやる気になって,本来の目的である学習内に到達できるグループワークについての私論である。
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