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書評 ─『グループワーク その達人への道』─学生の力を信じて,グループワークに取り組むための導きの書
興梠 清美
1
1東京慈恵会
pp.997
発行日 2018年11月25日
Published Date 2018/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201124
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学生の主体的な学びや社会的スキルを育むにはグループワークが効果的な方法の1つであり,看護教育の現場においても以前から熱心に取り入れられている。2012年中央教育審議会答申のなかで,高等教育改革のキーワードとしてアクティブ・ラーニングが明示され,具体的な学びの方法の1つとしてグループワークが提示された。しかしグループワークを行えば確実に目的が達成できるとは限らない。何のためにグループワークをするのか,どのようにグループワークを展開すれば学生の能動的な学習が促進されるのかを考えて行うことが重要である。
本書には,著者の長年の経験をもとに学生の学びを促すグループワークのしかけが多数紹介されており,実践に役立つものばかりである。しかし,本書はいわゆるマニュアル本ではない。著者は,「グループワークの進歩や学生の成長を願うのであればマニュアルでは功をなさない。大切なのはグループワークを通して,その時その場で学生が何を感じ,何を考え,何を学んだかである」と,グループワークのノウハウに先立ってphilosophyがなくてはならないと述べている。
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