特集 グループワーク
グループワーク(論)への誘い
大利 一雄
1
Kazuo OHTOSHI
1
1桃山学院大学
pp.594-599
発行日 1981年8月15日
Published Date 1981/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206358
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■はじめに
本稿では「わが国の公衆衛生分野におけるグループワーク」ということを念頭におきつつも,北米の代表的なグループワーク論の紹介に焦点をあてている.というのも,わが国におけるグループワーク実践の現状とその問題点については,本書の他の論者が,各論的に詳細に述べられるであろうし,それらとの対比で,本稿を読まれることが,戦後に北米から直輸入されたグループワークのわが国での発展の現状と今後の課題を考えるうえでの一助になりうると考えるからである.
グループワークがソーシャルワークの仲間入りを明確にするのは,北米においても,第二次大戦後になってからであり,それまでは,レクリエーションや社会教育と同義語にみられることも少なくなかった.YMCA運動やセツルメント運動などを母胎とするグループワークが,ソーシャルワークへの帰属を決定的にするのは,従来のAAGW(アメリカ・グループワーカー協会)を発展的に解消させて1955年に設立されたNASW(全米社会事業家協会)の1部門となったときである.
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