特集 循環型教育の確立をめざして
循環型教育としてのレクネスからOSCEへの発展
迫田 綾子
1
,
村田 由香
1
,
川西 美佐
1
1日本赤十字広島看護大学
pp.352-357
発行日 2011年5月25日
Published Date 2011/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101749
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レクネスからOSCE評価者への道
レクネス(RCNES : Red Cross Nursing Education Supporter)とは,看護基礎教育と臨床の架け橋を創る赤十字看護教育サポーター制度である。社会や看護の変遷の中で,看護教育のあり方を模索する過程で大学独自で造ったレクネス制度は,今年で3年目を迎えた。レクネスの目的は,先輩看護師から「赤十字看護の心と技」を伝えていただくことにより,学生の看護観形成や確実な実践能力の向上を育むことである。一方,臨床看護師は学生に教えることにより自らの技術を振り返りつつ,教育力を向上させる。つまり教育の循環である。学生と看護師,教員の相互作用により,本学の教育理念である“ヒューマン・ケアリング”の1つである相互成長を目指すことを目的としている。詳しくは,本誌52巻1号の記事を参照されたい1)。
一方本学では,2009(平成21)年から大学教育・学生支援推進事業テーマBが採択され,「看護学生のための早期離職予防シミュレーション・ナビゲーター」をテーマに全教員が参加し取り組みを開始した。プログラムは,3年間を通して看護実践力を育成するものである。看護実践力は,(1)看護技術力,(2)看護判断力,(3)コミュニケーション力,(4)ヒューマン・ケアリングな関係形成力,(5)チーム構築力の習得である。目標達成するためには,学生が“いつでもどこでも学習できる”こと可能にし,学生をナビゲートする総合教育方法を開発するものである。本プログラムは,看護実践力の育成のために,OSCE班,シミュレーションセンター班,ICT班,評価班,広報班を組織し活動をしている。
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