講座 理学療法学教育における臨床技能試験―OSCEの適用と評価 1
OSCE導入についての提案―医学教育の立場から
中野 隆
1
Nakano Takashi
1
1愛知医科大学医学部医学科
pp.61-71
発行日 2006年1月1日
Published Date 2006/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100241
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はじめに
近年のインターネットの普及は目覚ましく,巷にはIT専門用語があふれている.しかし,私たちはIT用語を使う際に正確な意味を理解しているであろうか.医学教育改革における用語も,IT用語と同様に,OSCE(オスキー)やPBL,GIO,SBO,チュートリアル・システム,クリニカル・クラークシップ(クリ・クラ),コア・カリキュラム(コア・カリ)などアルファベットで短縮したものやカタカナ表記したものが多い.
筆者は,1999年に日本理学療法士協会教育管理系研究部会においてOSCEを理学療法教育界に紹介した1).最近の理学療法関係の学会や研修会に出席すると,OSCE導入の速さと熱心な取り組みには驚かされる.その一方で,正確な意味が理解されないままに,あたかもIT用語のように「OSCEという単語のみが1人歩きしているのではないか」という疑問を抱かざるを得ない.OSCEとは何かを熟考しながら,理学療法教育への導入について提案したい.
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