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一人前看護師育成プログラムについて
本学では,2009(平成21)年度から「循環型教育システムによる看護師育成プラン(以下,育成プラン)」の取り組みとして,学士課程4年生から就職後3年間で一人前看護師としての育成をめざし「一人前看護師育成プログラム」を開発している。本プログラムは,臨床能力の到達度および評価基準を明確にし,認知領域(知識)・運動領域(技能)・情意領域(態度・倫理観など)を含む教育方法と客観的な評価方法の開発を目的としている。
本プログラム開発に向けては,附属病院看護部の教育担当副看護部長・師長・副師長と大学の看護学科教員がワーキングを結成し,話し合いを行なうなかで情報交換を行い,相互理解を深めつつ教育計画を立案した。まず,第1に臨床能力の定義と臨床能力段階を確認した。本院看護師の人材育成と人材活用を目的として2005(平成17)年より導入しているクリニカルラダーに準じ,臨床能力を「看護実践能力」「組織的役割遂行能力」「教育・研究能力」の3つの構成概念で捉え,看護師として一人前になる臨床能力段階をベーシックレベルI・II・III(卒後1,2,3年)の3段階で設定した。ここで,一人前看護師について時間をかけて議論した。結果,部署にとらわれず基本的な臨床能力を身につけた看護師を育てることを目標とし,従来からの研修内容と必要性を再吟味して,薬剤治療,医療機器,集中ケア,救急看護,複数患者ケア・夜勤適応,情報活用の6つの体系化されたプログラムで看護実践能力の習得と向上を目指した。また,組織的役割遂行能力は,看護倫理に加え目標管理,医療安全,感染対策,教育・研究能力は,教育,研究と自己開発を含んでいる。
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