連載 看護教師の学び方アラカルト─つなぐ・創る・活かす・4
実習指導者とともに「臨地実習での技術教育」を創る―本校における「基本的な看護技術の水準変更に関する指標」の検討を通しての学び
猪股 昌子
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1独立行政法人国立病院機構仙台医療センター附属仙台看護助産学校看護学科
pp.336-339
発行日 2006年4月1日
Published Date 2006/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100272
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はじめに
2003年3月の「看護基礎教育における技術教育のあり方に関する検討会報告書」1)で,看護技術とその水準が示された。臨地実習において学生が基本的な看護技術を実施する際には,1)患者に十分かつ分かりやすい説明を行い,同意を得て行わせること,2)学生に実施時の説明能力をつけること,3)学内での技術習得を確実にさせること,4)患者の状態や学生の学習状況から教員や指導者が判断して水準を変更して行うことが,前提条件である。
そこで,本校では説明書と同意書の使用に向けて検討し,主たる実習施設である仙台医療センター臨床指導委員会に図り,2004年1月から取り入れた。
同時に,看護技術および水準を検討し,事故につながりやすい「移乗」を「水準2」にするなど変更した上で(表1),細項目(表2)を確定した。それらを一覧にし,本校の考え方として学生および指導者に提示した。
患者の状態や学生の学習状況から,教員や指導者の判断で水準を変更して実習を行うことについては,実習教育を推進する教育主事の立場から,実際に実習指導を担当する指導者とともに考え,共通認識することが肝要であると考えた。そこで,2004・2005年度の臨床指導委員会活動として位置づけて,臨地実習での技術教育の推進を図った。
今回,「基本的な看護技術の水準変更に関する指標」検討の状況と,その過程で学校側の企画担当者として学び得たことを報告したい。
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