特集 実習での学びの最大化
学内での学びを臨地実習へと学習転移するための工夫
合田 友美
1
1千里金蘭大学看護学部
pp.158-163
発行日 2024年4月25日
Published Date 2024/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663202222
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臨地実習で感じる「もどかしさ」
筆者は、これまで臨地実習における指導の際に、講義や演習で教えたことをまるで「初めて聞いたこと」のように反応したり、学内で経験済みのことをまったく実践できなかったりする学生の姿を度々目にし、違和感を覚え、もどかしさを感じてきました。きっと、私と同じように、もどかしさを感じながら実習指導をした経験をおもちの先生がいらっしゃるのではないでしょうか。このもどかしさは、教員の指導に対する戸惑いを生むだけでなく、困難感や疲弊感をいだく要因にもなりかねません。
一方、既習の内容が臨地で活かされず、学習効果を実感できない経験を繰り返した学生は、自尊感情や自己効力感が低下し、看護の学習に対して苦手意識を感じたり看護への志向性を減退させたりして、学習行動に悪影響を受ける恐れがあります。真面目に学習を積み重ねてきたはずなのに、患者さんにうまくケアが提供できず力を発揮できないことにもどかしさを感じているのは、教員だけでなく学生も同じなのかもしれません。
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